インタビュイー プロフィール
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株式会社 藤川工務店 代表取締役 藤川 博さん
建築系の大学卒業後、ゼネコンで約5年働いたのち、父の経営する藤川工務店に入社。元々はタイル施工の専門会社だったところから、現在は新築・リフォーム工事など建築一式工事を幅広く手掛け、地域を支えている。
「担当者含め、新築の建物は誰にとっても初めてつくる建物なわけです。現場に行ってチェックするポイントは、毎回行くたびに変わりますね。」
三重県津市にあるプリンタイム本店の店舗は、建築設計事務所ランタンの設計のもと、藤川工務店により建築された。今回は、藤川工務店の代表取締役である藤川博さんに、建築への思いや今後についてお話を伺った。
1966年に父親が創業し、1989年に法人化した藤川工務店に入社したのは藤川さんが27歳の頃だった。
「父はタイル施工の専門会社として創業しました。私が入社したのは1995年。当初は主にタイル施工を専門に扱っていましたが、私は大学時代に建築を学んでいまして。建築のこともやりたいなと思い、建築工事一式の仕事も手掛けるようになっていったんです。」
父親の仕事の影響もあって建築の道を選んだ藤川さん。大学生活は、日々新しい知識を習得する、新鮮で楽しい時間だったという。
建築は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の大きく3つに分類される。今の藤川工務店がどの構造の建築工事にも対応できるのは、藤川さんのこれまでの学び・経験があってこそ、大きな強みとなっているのだ。
藤川工務店では、個人宅の新築やリフォーム工事、企業様の玄関のタイル施工工事、公共機関の新築・改修工事など、あらゆる工事を手掛けている。
「昔はタイル施工の仕事が多かったですね。例えばお風呂や台所、玄関など水がかかるような場所で、昔はタイルをよく見かけたのではないでしょうか。今でも企業様の玄関やトイレ改修とかでタイル施工はありますが、最近では改修工事などの仕事が増えていますね。」
藤川さんの仕事は、打ち合わせから見積書作成、現場まわりなど多岐にわたる。
「見積もりを出す際に気をつけているのは、積算の精度です。積算とは、仕様書や設計図をもとに、必要な材料や数量を計算し、工事費を計算する作業。見積書を確認するお相手に、安心して建築を任せようと思っていただけるよう、一つひとつの見積書の精度を高く作成するよう心がけています。」
プリンタイム店舗の見積書作成の際も、そのスタンスは変わらず。建築設計事務所ランタンやプリンタイム運営会社が、藤川工務店を施工者に選ばれたのも、藤川さんの真摯で実直な仕事ぶりが背景にあってのことだろう。
数々の建築工事に携わる藤川さんが特にやりがいを感じるのは、その建物を使うお客様から直接仕事を請け負うとき、顔が見えるときだ。
「施主の方から直接請け負う場合、建物を建て始める前の段階から施主と顔を合わせ、そして工事が進んでいきます。建物が完成して引き渡す際、施主の喜ぶ顔を間近で見られたときは、何より嬉しいですよね。滞りなく建物が建ってよかったな、と。」
自信を持って完成した建物を引き渡すためにも、不具合が出ないよう建築途中の現場見回りも欠かさない藤川さん。まずは土台づくりから、建築途中で日々変わる細かなチェックポイントを確認していく。
「さまざまな職種の人がそれぞれの技術を出しあい、一つの建物をみんなでつくりあげていく。自分一人だけでできることではありません。みんなで協力しあいながら建物を完成させていく喜びを感じられるのは、建築ならではだと思います。」
店頭のバックヤードでは多種多様なプリンを製造、2023年10月からはネットでの全国販売も手掛けるプリンタイム。藤川さんも今後の歩みを楽しみにしている。
「店舗に来てくださるお客様はもちろん、ネット販売でも、どんどん売り上げが上がっていったらいいですよね。三重で育った食材を使ったプリンがたくさんの人の手に渡り、三重県を広く発信していっていただけたらなと思います。」
趣味では、海外旅行が好きだという藤川さん。これまでに韓国・中国・台湾・ベトナム・フィリンピン・シンガポール・マレーシアなど、東南アジアを中心に多くの国々に出かけ、その土地の食べ物や景色を楽しんできた。今後も機会があれば海外に出かけたいという。また、人材の育成にも注目しているそうだ。
「現場の施工管理者が不足しているのが実情です。未経験者から施工管理者になった従業員もいますし、ぜひ新しく仲間に入っていただいて、人材育成をしていけたらなと思っています。施工関係の資格取得についても、積極的に従業員のチャレンジを後押ししています。みんなで一緒に地域づくりを担っていけたらうれしいですね。」
(取材/ライティング:杉本友美)